議会の匿名性継続
北九州市長選挙の告示日だった2011年1月23日。2期目を目指して立候補した北橋健治北九州市長は同日、JR小倉駅前での街頭演説でこう訴えた。
「(一期4年間で)市役所が提出した予算、重要条例は全て、共産党を除く全会派のご承認を得て、着実に子育て支援、教育、福祉、環境、まちづくりの政策を実行することが出来た」。
対立候補の三輪氏を支援した共産党以外の全会派が、自らを支援してくれているとアピールしたかっただろうが、訴えは事実ではない。
復興枠で皇后崎工場改修
今年3月末に終了した北九州市での宮城県石巻ブロックの震災がれき処理事業に伴い、2012年度から始まった八幡西区の皇后崎工場基幹的設備改良工事にかかる費用が、国が全額負担する循環型社会形成推進交付金・復興枠(復興特別会計)に切り替えられていたことが分かった。
市は当初、市の負担がある同交付金・一般枠で交付内示まで受けていたが、環境省が昨年6月末に切り替えを提案してきたという。切り替えにより市の手出しは一切なくなることが約束された。
市環境局は「環境省から切り替えの話があったのは昨年6月に市長ががれき受け入れを正式表明した後。がれきを受けいれるかどうかの判断材料にはなっていない」と話している。事実上の見返りと言える。
本紙が8月、北九州市での震災がれき処理に関する情報開示請求を行い、出てきた文書に交付金枠の変更が行われていたことが明記されていた。
循環型社会形成推進交付金は、自治体の焼却施設建設費や改修費の二分の一か三分の一を国が交付するもの。東日本大震災後、潤沢な復興予算を活用するため、震災がれき処理を引き受けた自治体にも同交付金が出せるよう復興枠を創設。がれきの広域処理を促進する仕組みが出来た。昨年3月、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物課長名で各都道府県宛てに、復興枠の交付方針を通知している。
(2013年9月11日付)
北九州憲法ネット主催
2011年3月11日に起きた東日本大震災。それに続く福島第一原発事故。2年半経過しても尚、故郷に帰れない住民は16万人。
加えて汚染水の海への流出が世界の脅威になっている。原発立地の自治体は大抵が過疎、寒村だった。映画の舞台、新潟県巻町も変わりない。
1960年代に始まった東北電力の原発誘致は、賛成・反対で住民を分断し、親族を骨肉の争いに巻き込み、巨額のカネがバラ撒かれ人や議会が変わっていく。
四半世紀の闘いは「未来に何を残していくのか」を問う住民投票を導き、原発反対が賛成を上回り決着する。
9月14日(土)①午前11時~ ②午後2時~ ③午後6時半~
チケット前売り1000円 当日券1500円 小中学生800円
(2013年9月1日付)
防衛省の調査 北九州市内企業6社も
普天間飛行場代替施設建設事業資材調達検討委員会が2009年5月(麻生政権時)に発会している。
表題では何やら分からないが「普天間飛行場」とは米軍普天間基地。「代替施設建設事業」とは辺野古沖埋め立てのこと。
沖縄防衛局は今年6月28日、基地移設先の辺野古の埋め立て費用が2310億円と発表。それを遡る半月前の6月13日、衆議院外務委員会で日本共産党の笠井亮議員の質問に、防衛省の伊藤盛夫経理装備局長は、東京ドーム17個相当(2100万立米)の土砂の必要性を説明。全国7県19地区35社に石材、埋立材調査を実施したと答弁した。
この35社の中に北九州市の企業6社が含まれている。さらにヒアリングを受けたのは4社。事情通によると、うち2社は会社を閉鎖している。大抵が山砂利所有の企業。
調査報告書では門司の砕石は護岸用と裏込材になる予定になっている。
沖縄・辺野古の米軍基地フェンス この左側を埋め立てる
(2013年9月1日付)
風船に見立てて 3回目の実証
7月28日午後1時半。九電玄海原発から4キロ地点の唐津市波戸岬海のトリム公園で「原発なくそう!九州玄海訴訟」の風船プロジェクト第3弾が開催された。
同プロジェクトは玄海原発で事故があった場合、放射線物質が春夏秋冬どの方面にどれくらいの速さで飛散するのかを、1000個の風船を飛ばして「見える化」する調査活動。
昨年12月8日、4月14日に実施し、最遠は和歌山県だった。次回は秋の実施予定。
開会冒頭、九州玄海訴訟弁護団の一人、椛島敏雄弁護士は、参議院選挙の結果に触れ「弁護団の1人仁比聡平弁護士も当選した。東京電力の筆頭株主である東京都。その東京都選挙区で5人枠に原発に反対する吉良佳子さん、山本太郎さんの2人が当選しました。奇蹟の議席」と原発再稼働反対有権者への連帯を述べた。
地元佐賀に加え、長崎、福岡、北九州から約300人が参集した。
(2013年8月1日)
20、30歳代が少ない、いびつな年齢構成
職員8000人体制を掲げて推進中の北九州市だが、新規採用の抑制などで20歳代、30歳代の職員が他の年齢に比べて極端に少ない、いびつな年齢構成になっている。
北九州市行財政改革調査会(座長/斎藤貞之・九州国際大学特任教授)の第13回会合(7月17日開催)で、事務局の市がデータで示した。委員からは「1996年と比べて明らかに20代、30代のところがやせ細っている。このままで大丈夫か」など懸念する意見が出た。
上表が2012(平成24)年、下表は1996(平成8)年の年齢別構成表。96年度から市は、行財政改革の一環として職員削減に取り組んでおり当時の職員数は1万1358人。12年度は8550人。
いびつな年齢構成になった要因に、年金支給年齢が引き上げられたことによる退職者の再任用制度、さらに新規採用の抑制に繋がっている。また採用試験の年齢要件撤廃もある。
委員からは「職員の年齢構成を考えると、これは深刻に考えないといけないと思う」等の意見があがり、斎藤座長は、これまで三度実施の「早期退職者制度について、もう少し踏み切った検討が必要」を話した。
(2012年7月21付)
八記議員が追及「重大さの認識足りない」
北九州市環境局は3月27日開催の市議会・環境建設常任委員会で、1月24日に新門司工場3号溶融炉内で発生した作業員死亡事故の経緯と再発防止策を初めて報告した。
八記博春委員(共産)は3月21日の予算特別委員会や25日の市長質疑で同問題を取り上げ、実態把握の不十分さを指摘、北橋健治市長や当局の見解を質した。八記議員は「環境局の姿勢がこの事故に対しては他人事だ、状況をきちんと把握していく、再発防止に全力をあげるという姿勢が(これまでの議論を通じて)あまり感じられなかった。他の事業所へも安全管理の徹底とあり、これが重要。事故の詳細を具体的に語ってほしい」と要望した。
事故は1月24日午後1時25分頃に発生した。当局の報告によれば、亡くなった男性作業員は溶融炉内の壁面に付いているクリンカ(灰の塊)を除去し、下のマンホールから排出する作業中、クリンカが詰まって排出作業が出来ない状態となった。安全帯を着用した作業員がクリンカの上に乗って鉄棒でクリンカを突いていたが、足元のクリンカが崩れ、頭部から転倒。周りのクリンカが覆いかぶさり、窒息状態となり死亡した。
八記委員は今回の作業にあたっていた7人(人数は市資料に明記)の所属先を聞いたが、市の説明は二転三転した。21日の予算特別委員会・第2分科会で環境局は「7名の職員の所属だが、市職員はゼロ。詳細に何人何人と言うのはすぐに出ないが、(元請け)3名、(下請け)4名だったと今、記憶している」。
八記委員「事故に対するみなさんの認識が全然出来ていない。これね、誰の責任なのかということがある。」
当局「(炉内にいた2人のうち)被災された方は間違いなく下請けの社員だが、もう1人は委託業者の作業員と聞いているが、確約はないが」。
27日の常任委員会で八記委員は「7人全員が下請けの人たちだと聞いた。市が事業を委託する際に、委託側が直接やるのではなくて、さらに下請けに持っていくということは出来るだけしないほうがいいと思う。必要な場合はあると思うが。作業していた人は全員下請けの方々。そういう構造は問題があると思う。環境局に伺ったら(7人以外の別の)1人だけ、下請業者ということだが。直接発注できなかったのか、事故の背景にあるのではないかと思っている」と指摘した。
(2013年4月1日)