平野栄一 現代教育事情122

 権力は嘘を必要とする

八重山毎日新聞(10月7日)は次のように報じました。

 玉津教育長「教科書見たと言えばよい」発言  委員「そう言った」と証言 記者会見急きょ中止

 教科用図書の選定過程で玉津博克石垣市教育長が「教科書を見なくても見たと言えばいい」と発言したと7日付県紙が報じた件で、玉津教育長は同日午後、記者会見を開くと報道各社に伝えたが、急きょ中止した。一方、協議会委員の平良守弘氏(八重山PTA連合会会長)は「そう言った」と証言した。同日午後3時ごろ、市教委の職員から「報道の件で午後4時から記者会見する」と連絡があったが、その後中止すると伝えた。中止の理由について玉津教育長は詳細を明らかにしなかったが、議事録を確認する必要があると判断したとみられ、職員にボイスレコーダーの内容をチェックさせていた。平良氏は、本紙の取材に「7月19日の連絡会で僕は、130冊余の本を全部は読めないと何度も繰り返して言い、だから調査員の報告書を参考に本をみるしかないと言ったが、玉津教育長が読んでなくても読んだと言えばよいと言った」と話した。

 玉津教育長に公開質問状

 玉津教育長は八重山高校の職を辞して教育長に就任。福岡県内在住退職高校教職員12名は次の質問書を送付しました。

「10月7日付新聞報道に関する公開質問状」

 八重山毎日新聞の報道によれば、7月19日の教科用図書八重山採択地区協議会において、協議会委員・平良守弘氏の発言「130冊余の本を全部は読めないからこそ、調査員の報告書を参考に本をみるしかない」に対して、貴職は「教科書を読んでなくても読んだと言えばいい」と発言したと伝えられています。この発言は教科用図書採択協議会の根幹を揺るがすものであり、将来をになう子どもたちに選び抜かれた教科書を手渡す重責をまったく自覚していないと、自ら表明していることに他なりません。しかも、8日に予定した記者会見を中止したことは、釈明する余地のない事実であることを裏付けたものと判断せざるを得ません。私たちは、長年、高等学校に身を置き、次代を担う青年の育成に力を注いでまいりました。道徳として「真実と正義を愛する心と、一切の暴力や嘘やごまかしを許さない勇気を持つこと」を重視し、高校生に語ってきましたので、貴職のこの発言を聞き置くのみにすることはできません。よって、下記の質問に文書回答をされるよう要請します。なお、回答がない場合は、私たちの見解とともに八重山毎日新聞の報道は事実であることを、全国に発信いたします。また、報道及び関係諸機関への働きかけも進めていきますことを申し添えておきます。

 支配者とそれに従う者は嘘を必要とし、被支配者は真理を必要とする。 (教育アナリスト)

(2011年10月21日付)



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