解同役員らに600万円謝礼 

脱税指南事件で元小倉税務署長が証言

元小倉税務署長で「解同」福岡県連の元顧問税理士の高藤正義被告(68)らの法人税法違反事件(野島秀夫裁判長)の第6回公判が7月21日、福岡地裁で開かれ、高藤被告は「同和特別控除が国の法失効後も、団体側(「解同」)の強い要望で、水面下で慣行化」していると証言、「解同」担当役員2人に6百万円を謝礼として渡したことを認めた。

国税局の同和特別控除については第2回公判で、福居英雄大阪国税庁課税補佐が、70年に国税庁長官が「同和地区納税者に対し、実情に即した課税の配慮」とした「7項目の確認通達」の存在を認めたが、国の同和特別対策関連法の失効後、破棄され、同和特別控除はなくなったと証言。

同和特別控除の有無が争点になっているこの法人税法違反罪事件は07年7月、小倉北区の不動産会社アイデアル(高橋和広社長)が06年6月から07年5月までの所得約20億9000万円を約6億1100万円とする虚偽の納税申告を小倉税務署に申告。4億4439万円を脱税した疑い。元同署長の高藤被告は「解同」税務担当の前田丈と多田稔に「同和特別控除」による税務申告を依頼、報酬としてア社から4000万円をうけとり、前田に500万円、多田稔に100万円をそれぞれ謝礼として渡した。

この日の証人尋問で高藤被告は「同和特別控除」について、副署長のとき特別控除の申告が13件あったが、署内で問題とされたのは1件もなかった。7項目の確認事項は前任者から引き継ぎをうけ、私も後任に引き継いだ。04年に(局長通達は)破棄されたが、毎年12月か1月の大阪での国税局と「解同」の協議で、「解同」側から急になくなるのは困ると反発され、特別控除を残し、毎年5%削減することになった。05年の交渉では25%、06年は20%に。その後、20%減免は水面下の慣行となっている。税務調査が入ったときは、特別控除をみるが説明がつけば、タッチしない。

高藤被告は、本件の納税申告も、慣行化している同和特別控除を適用したもので脱税ではないと証言。

高藤らが同和特別控除を前田らに依頼したのは06年6月15日、福岡市の日航ホテルでの税理士総会の日。高藤らの要請に前田は「自分が県連に話すから」と約束。同年12月12日、ア社の高橋が福岡市の高藤事務所に出向き、報酬として4000万円を高藤被告に渡した。

高藤被告はその1週間後、前田に3百万円、翌7年2月に2百万円を特別控除の謝礼として渡した。そのとき、高藤は「解同」福岡県連に3百万で2回、2百万円で2回の計1千万円を支払うと話したが前田は「そこまでする必要はない」と止めたという。多田には同年7月に百万円を謝礼として渡したと証言した。

多田は現金の授受は「覚えてない」としている。

(2011年8月1日付)



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