押印管理は「記憶」

元小倉税務署長 脱税指南事件公判

 元小倉税務署長で解放同盟県連の元顧問税理士、高藤正義(68)らの「えせ同和脱税指南事件」の公判(野島秀夫裁判長)は6月30日で4回を数えた。

 同日午前10時、福岡地裁で開廷された検察側証人は解放同盟福岡県連の元事務局長、タダミノル氏。同氏はアイデアル社の確定申告書に「九州中央」という「1㌢×4㌢」の横印を押した人物。

 36席の傍聴席中央には解放同盟県連幹部が居並んだ。「良心に従い、知っていることを述べることを誓います」の宣誓の後、尋問は検察側から始まった。宣誓に期待したが…。 

 タダ氏は1970年から2008年まで解放同盟福岡県連に勤務。「1985年に企業振興会ができて部落出身の人の就職の要望を世話することが仕事だった。主に確定申告を扱った」と淡々と答えていったように見えたが、ここでタダ氏は持参したペットボトルを口に当てた。

 国税との関わりは「要望―部落差別の実態や研修の日程、打ち合わせを行っていた」「振興会を経由して確定申告を行った」と応答。振興会経由のものは申告書の上部欄外に「九州中央」印を押していたという。

 「九州中央」とは、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県のこと。「国税との関係は振興会が担当した」と述べた。つまり福岡県は「九州中央」にすっぽり入っている。

 では「九州中央」印はいつから押印しているのかは、「覚えていない」。このあたりになると証人の足は貧乏ゆすり状態で、後ろ首が赤くなっていた。

 「昭和42(1967)年の国税庁官の通達は」

 「覚えていない」

 「国税大阪との7項目の約束は」

 「聞いたことはあるが知りません」

 「30%控除が言われていたことは」

 「知らない」

 「高藤(元小倉税務署長)が御礼に百万円入った封筒持ってきたのでは?」

 「ありません」

 アイデアル社長高橋被告の弁護人が九州中央印の管理についてタダ氏に尋問。内部管理というので「どの企業に押したかの管理台帳のような資料は」

 「ない」

 「どこの企業に九州中央印を押したのか、は記憶ですか」

 「そうです」。

  傍聴席からは「偽証罪だ」の声もあった。 

  午後は高藤元小倉税務署長の下請けを行った戸田税理事務所(今はない)のT事務員が証人出廷。T事務員は現在、戸田元税理士と同じ税理事務所に雇用されていることが同日の尋問でわかった。

 T事務員は高藤元小倉税務署長から「同和団体を通じて申告するとほとんどの税務調査が入ることがなかった、と聞いた」と証言した。この証言は6月20日の第3回公判の戸田元税理士が「同和団関係といえばフリーパスになる」の証言と一致した。

 (2011年7月11日付)



Yahoo!ブックマークに登録

サイト内の記事・写真・データ・その他の著作権は小倉タイムスが所有・管理しています。許可なく転載することを固くお断りします。