最高裁事務総局が模範解答?

非常勤行政委員の高額報酬問題

 「非常勤行政委員の高額問題」で滋賀県を提訴し、地裁、高裁で連勝している原告の吉原稔弁護士の講演会が5月25日夜、小倉北区の市立生涯学習総合センターで開催された。主催は市民オンブズマン北九州。吉原弁護士は裁判の争点や裁判所の問題点を次々と指摘した。主催した市民オンブズマンも北九州市の行政委員の高額報酬問題について見直しを求める陳情を市議会に行っており注視している。

  吉原弁護士は10年前までは滋賀県議。非常勤行政委員の高額報酬問題に取り組みきっかけになったのは、県労働委員会の委員選考で県知事が連合側の委員しか推薦しないことだった。委員の実態を調べると「委員報酬が月2回出席で、しかも1回30分の会合で月20万円。行政委員はたくさんある」と問題性を認識した。

 住民監査請求は棄却されたが、大津地裁、大阪高裁では勝利。その後、全国の自治体で行政委員の月額報酬を日額に見直し動きが相次いだ。吉原弁護士の裁判は現在、双方が上告し最高裁で係争中。争点については「滋賀県が主張する憲法92条違反と、私が附帯上告の理由とした憲法94条違反との喧嘩。94条は法律が条例で骨抜きにされないようにするため。『法律の下克上を許さない』。これでいくしかない」と吉原弁護士は話した。

 一方で、吉原弁護士以外にも、同様の提訴が全国で行われたが全て敗訴している。吉原弁護士は「全部敗訴という事態は今までの常識では考えられない。判決も『報酬は条例で定めることが出来る。裁量権の濫用なし』というワンパターン」で不思議に思ったという。そこで気が付いたのが、最高裁事務総局が裁判官会同、協議会、研究会を開催し模範解答を示したのではないかという疑念だった。  

 「平成3年まではやっていたと『部外秘』の文書に書いてあった」と吉原弁護士。吉原弁護士は「司法権の独立を侵すもの。事務総局主導のカンニング」「判決文を書く左陪席の判事がよく最高裁に(どう判決文を書いたらいいのか)聞くという」として問題視。

 裁判官会同などが開催されたかどうかを最高裁に情報公開請求した。回答は「すべての文書を検索したが存在しない」。会議の有無には言及しなかったという。その後、弁護士法23条で照会すると「会同はしていない」と回答してきた。現在、最高裁を相手に提訴することを検討中。

(2011年6月1日付)



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