解同移転補償費問題 築城町が控訴

「部落問題に詳しい弁護士を・・」

 4月27日午前、築上町臨時町議会が開かれた。中心議題は、4月19日の福岡地裁で「築上町立船田集会所の移転費賠償裁判」で新川久三町長に対し、町へ900万円の支払いを命じた判決を不服とする同裁判「控訴の提起」と、弁護士費用捻出の「一般会計補正予算について」。

 唐突に新川町長は、提訴した原告名を4月24日開催した町政懇談会に続いて議場でも読み上げる暴挙に出た。その点について「憲法違反」と質問した共産党の西畑イツミ議員に「原告は胸を張って訴えたと思うので公表した」とカエルの面に何やらの表情で答えた。

 裁判の内容は次の通り。1970年,旧椎田町が建設した県道沿いに建てられた町立船田集会所を解同豊前築上協議会の事務所として無償で使用させてきた。2008年、県道拡幅工事に伴い集会所は移転しなければいけなくなり、県が築上町と協議する中で移転費用6000万円が支払われた。そして解同には3200万円が移転補償費として交付された。

 一任意団体に40年以上にわたり無償で町施設を使用させ、その上で3200万円を支払うのは「違法公金支出に当たる」として08年に町長に公開質問。町長の回答は「公金3200万円の解同地協への支払いは議会の議決を得て執行した」。町監査委員会は「解同地協への公金支出は地方自治法違反にはならない。請求は監査の対象外」と住民らに回答。その上での09年と10年に提訴した。

 公の施設を一任意団体に独占使用させることは地方自治法238条四、第1項違反。無償使用をさせることは237条2項違反に当たる。

 新川町長は「控訴審に向けて部落問題に詳しい弁護士を1人追加するので補正予算を組む」と弁護士費用の予算案計上を説明した。1審の弁護士費用250万円の内訳は着手金が1人100万円、訴訟の印紙代が5万円、弁護士の出張費が45万円。11年度予算は120万円を計上。

 田村議員が「弁護士をまた雇って裁判しても負ければ町民から不満がでる」と質問し、町長は「私は負けない。椎田町の建物は1市5町のもの。色々な補助金は解同が使うのを今までの首長は認定して『解同会館』の認知していた」「解同と土木事務所は交渉したが解同に法人格がないので築上町が仮の所有者として代金をやってもらえないか、と県から要望された。事実上は解同が所有者。証拠の書類は集まってきた」。田村議員はさらに「お金は役場を通したトンネル方式。県にもお伺いを立てて裁判費用を出してもらうよう交渉したらどうか」と質し、町長は「訴えられているのは町。県に『加勢して』と言ってもやぶさかではない。土木課に話を持っていってもいい」。

 新川町長は「『部落差別は終わった』を判決文に書いた裁判所は間違っている」を繰り返した。

 二十人の議員中、弁護士費用支出の補正予算案に反対したのは五人で、賛成多数で可決。控訴提起議案に反対したのは七人だった。

(2011年5月1日付)



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