元看護課長に出席要請 爪ケア事件

 「虐待認定」再検証の第3者機関決定

 北橋健治北九州市長が再検証を約束した、「爪ケア事件」で無罪となった北九州八幡東病院の元看護課長に対する「虐待認定」について協議するため12月22日午後、当時虐待認定を事実確認した第三者機関=尊厳擁護専門委員会(委員長/伊藤直子・西南女学院大学教授)の会合が小倉北区の北九州国際会議場で開催された。

 会合終了後、会見した伊藤委員長は「(2007年の虐待認定の)7つの根拠について、新たな記録も含めて議論した。今回のケアがどういう意味をなすものなのかなど。今日の時点では委員会が今回の事案(に対する見解)を説明することには至らなかった。年明けの2回目でさらに議論を尽したい」と話した。元課長本人からの直接聴取についても結論に至らなかったため、次回引き続き協議する。

 毎年、高齢者虐待防止法に基づき行われた全国の対応状況の調査結果を公表している厚生労働省老健局高齢者支援課・認知症・虐待防止対策推進室は「毎年調査はしているが、(自治体が過去の対応を見直したことがあるのかどうかの)詳細は把握していないが聞いたことはない。事例はないと思う」と話している。

 看護行為を虐待と認定された元看護課長は11月、北橋市長に認定見直しを求める陳情書を提出した。

 07年に同専門委員会が事実確認をした虐待認定の理由は7つ。これを受けて同年7月23日、市が高齢者虐待防止法における身体的虐待にあたるとして虐待認定した。その後、病院に対し、同専門委から出された再発防止策・改善策に基づく助言、指導を行い、取り組み状況の報告を求めた。ただし市の「虐待認定」も病院への助言・指導も行政処分ではないため、行政不服審査法の対象ではない。認定の位置付けや認定見直しを含めた議論がどう進むのか、市も「今後の議論」にとどまっている。厚生労働省も「自治体がどう虐待認定するのかは自治体によって異なると思う。スキームは具体的に法律には定められていない」と話す。

 元看護課長への聴取について伊藤委員長は「本委員会が虐待事案ということで組織(病院)としての改善や再発防止を市に提案したものであって、あくまで組織としての改善策を助言した。個人を特定していたものではないので個人の意見を聞くことがいいのだろうかという意見、聞く必要があるとの意見、双方出た」と説明した。

? 尊厳擁護専門委は1月17日の2回目会合で、次回会合に元看護課長に出席を要請することを決めた。

(2011年1月11日付)



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