おからリサイクル 補助金返還命令

北九州市エコタウンで初   組合は猶予願い

 

 おから乾燥機の性能をめぐる損害賠償請求訴訟で、原告の北九州食品リサイクル協同組合(豆腐製造業者で構成)が5月25日の福岡地裁小倉支部・1審判決で全面敗訴したことを受けて、同協同組合に補助金を交付した北九州市が、約1億2300万円の補助金返還命令を出していたことが分かった。返還命令は7月30日付。北九州市エコタウンの進出企業に交付した補助金返還を求めるのは今回が初めて。同協同組合は1審判決を不服とし控訴しており、現在は福岡高裁にて係争中で、8月12日に「事業再開を目指している」として返還猶予願いを提出した。担当する環境局は「他の債権者もいる中、債権保全に遅れを取ると市が税金で国に返納しなければならなくなる。いったんこのタイニングで返還をお願いしている」と話している。同協同組合の猶予願いは受理され、市は短期間を条件に承認した。担保となる債権の内容は現在の交渉中という。

 おからリサイクル事業に対して、工場建設やおから乾燥機などを設置するため、国が2億1100万円、市が1055万円の補助金を交付した。環境局・環境モデル都市推進室は返還命令を出した理由について、5年以上にわたり事業が休止していること、5月の1審判決が同協同組合側にとって厳しい内容だったことを挙げた。返還額の算定は工場休止した時期(07年7月)での資産の残存簿価に補助率をかけて出した。国とも協議し決定した。同室は「交付自体は間違っていなかったと思っているが、社会情勢の変化や事故も起こった。補助金交付の取り消しではない」と説明し、全額返還を求めなかったという。

 同協同組合と新日鐵の裁判は続いているが、仮に高裁で組合側が勝訴した場合や、双方が和解し事業再開の目途が立てば「国と改めて協議する」と同室は話している。

同協同組合は西日本シティ銀行からも融資を受けている。

《これまでの経緯》

 同協同組合は若松区のエコタウン実証研究エリアでおからリサイクル工場を01年10月に稼動させた。その後、04年10月に1回目の操業停止。翌年5月に再開したが、おから乾燥機が爆発事故を起こし再び停止。労働基準監督署が現地調査に入り、乾燥機の是正勧告を出し、是正されるまで使用禁止となった。同協同組合と工事元請けの新日本製鐵は事業再開に向けて協議を続けてきたが、結局まとまらず、同協同組合が新日鐵を相手取り、約6億円の損害賠償を求めて08年12月に提訴した。今年5月の1審判決は、新日鐵の元請け業者としての責任がないとする「覚書」の有効性を認め、同協同組合の訴えを斥け、逆に土地所有者の新日鐵が訴えていた土地賃料請求を認めていた。

(2010年9月21日付)



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