市有地から大量の鉱滓

 処分費用を市が賠償

 北九州市港湾空港局が管理する戸畑区の境川埠頭一画(356平米)から09年11月、大量の鉱滓が出土し、その処分を実施した戸畑港運輸株式会社に、市が処分費相当額の損害賠償金約712万円を支払うことに合意した「和解」議案が開会中の九月議会に提案され、可決した。賠償金は補正予算案として計上した。

 最大の疑問は、なぜ市有地に産業廃棄物の鉱滓が存在していたのかだが、元々、民間企業の東洋製鉄が埋め立てを開始し、その後、旧戸畑市が埋め立て権の譲渡を受けた。当時は産業廃棄物を規制する法整備もなかった。港営課によると、埠頭から鉱滓が出たのは今回が初めて。今後も産廃規制前の埋め立て市有地から産廃が出る可能性がある。同課は「議会から二度と同じようなことがないよう言われている。事前調査など対策を検討する」と話している。

  鉱滓が出た埠頭は戸畑港運輸が長年にわたり「野積み場」として使用し今回、倉庫建設のため新たに賃貸借契約を市と締結。工事中に鉱滓が発見された。その量は1115トン(533立方㍍)。土地所有者の市が処分するのが通常の流れだが、市が処分すると予算計上に時間がかかること、また戸畑港運輸が倉庫創業時期を今年3月とし工期を遅らせないため、戸畑港運輸がとりあえず処分し後日、市が処分費を支払う約束を交わした。

 今回の損害賠償金を支払う和解は民法上のもので裁判上ではない。戸畑港運輸が行った鉱滓処分の額は約812万円だったが、市の算定で約100万円低い賠償金となった。

 港営課によると、東洋製鉄が埋め立てを開始したのは大正10年11月。昭和33年11月、旧戸畑市に埋め立て権が譲渡され、竣工は昭和43年8月。埋め立て途中に譲渡された理由は不明という。今回見つかった鉱滓は東洋製鉄が排出したものと考えられるが、土地の所有者は旧戸畑市、5市合併で北九州市に引き継がれており、排出者責任は適用されず、市が処分することになった。

 北九州市史によれば東洋製鉄は大正10年4月から八幡製鉄所の委託経営になり、その後吸収されている。

(2010年9月21日付)



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