佐藤・南三陸町長が講演

 「3・11 風化させてはいけない」

北九州市立大学主催の第5回地域創生フォーラム「南三陸町 復興への挑戦」が2月19日午後、同大学北方キャンパスで開催され、佐藤仁・南三陸町長の講演会が行われた。約500人の大学生や高校生、市民らを前に、佐藤町長は大震災の被害状況や復興にかける思いを話し、「風化させてはいけない。3・11を忘れてはいけないということではなく、日本のどこかで自然災害があったときに自分や家族、地域の命をどう守るのかを考えるために、3・11を頭の片隅にとどめていただきたい」と語った。

今回の講演会開催は同大学側が佐藤町長の講演を企画し、大震災直後に南三陸町入りした中村連隊長に相談。連隊長が佐藤町長に講演を依頼する手紙を書き、実現した。

パネルディスカッションには佐藤町長と三浦清隆・南三陸町復興企画課長、中村連隊長、市立大学学生らが参加。同学生は昨年9月、南三陸町に行きボランティア活動に加わった。第2次派遣として3月9日から約1週間、再び南三陸町に入り、側溝の土上げなどの復興支援に取り組むという。自衛隊からロープの結び方など、指導を仰いでいるという。

佐藤町長は「私も家を壊されたが、52年前のチリ地震での津波の時と今回で2回目。今後の対策は、高い所に住むのが基本的な考え。チリ地震の時は町の高齢化率は10%もいっていなかったのではないか。今は30%。自力では自宅を建てられないし、場所もない。山を削って、削った土を(地盤沈下した場所の)かさ上げのために使わないといけない」と復興への決意を述べる一方で、「政治ですね。11か月、歯がゆい思いで見てきた。『菅』降ろしが始まった時、国がそういうことをやっている暇があるのかと思った。南三陸町にも100人以上の国会議員が視察に来て、『何でもします』と言ったが、国会では政局」と理想と現実のギャップに悔しさをにじませた。

学生から「組織のあり方」「リーダー論」を問われた中村連隊長は「東日本大震災で自衛隊は評価されたが町の協力がないと出来ない。仕事がやりやすかった。全ての責任を取るのがリーダー」「リーダーの分身であるサブリーダーを設けること、ピラミッド型の組織にすること、規律・団結を維持する仕事はサブリーダーの仕事」と伝授。佐藤町長は「リーダーがぶれてしまうと、下のみんなもぶれる。全員が納得する方向を見つけることは難しいが、説明責任を果たすことが必要」と身近らの経験談を披露した。

中村連隊長は「危機管理意識を持つことが必要。北九州市では大規模な震災なんて起こらないと思わないこと、日本を攻めてくる国がないなんて思わないこと」と、国防論にまで言及し、締めくくった。

(2012年3月1日付)



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