「水をみがく」 北九州水道100年史

労使対立など歴史的背景も網羅

 「水に生きる」から「水をみがく」へ。旧門司市で水道給水が始まってから今年で100周年を記念して、このほど「北九州水道百年史」が刊行された。

1989年発行の「北九州市水道史」(北九州上下水道協会)では水の安定供給の最中だったことが本題からも伺えるが、今回の本題は「水をみがく」。同書の冒頭あいさつで北橋健治市長は「多数の工程を経て安心のいただける完璧な仕上がりにしてお届けします。その過程はまさに『水をみがく』という本書の題名そのままです」と説明している。貴重な写真がふんだんに掲載されており、旧5市時代から始まる北九州市の「水」の歴史を凝縮した一冊と言える。

1部3000円。市役所1階の政府刊行物北九州サービスステーションと上下水道協会(国際会議場8階)で購入出来る。

旧門司市で流行したコレラの状況を記述している、火野葦平の著書「花と龍」を計4ページに渡り紹介している。

大正4年に発生した旧若松市の貯水池決壊事件ではふもとの旭硝子工場を直撃。その後、同市に高額請求があり、事件は訴訟に発展。解決に動いたのは地元の衆議院議員、吉田磯吉。どう決着したのかを、検証仕立てで話を進めているのが興味深い。

谷市政時の水道事業や清掃行政、病院行政をはじめとした、労使対立にも言及。谷市長が組合員に囲まれている写真も掲載している。水道事業にとどまらない歴史的背景も網羅している。

(2011年12月11日付)



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